北海道新聞の記事です。
帯広の運動会開催合図 「花火」中止の学校増える メールで連絡/苦情にも配慮

間もなく運動会シーズンだが、当日早朝に開催を知らせる定番の花火を帯広市内の小中学校では本年度、昨年度より7校多い12校で取りやめる。保護者が事前登録している電子メールでの連絡が進み、近隣からの苦情に配慮している事情もある。時代の流れには逆らえず、初夏の風物詩が変わりつつある。

北海道新聞


花火での運動会のお知らせ


昔から、運動会の朝には、どこからともなく「ボンッ、ボンッ」と聞こえてきたものです。

たぶん、雨天順延の運動会の開催決定を生徒と家族に知らせるのが目的だったのだと思います。

北海道新聞の記事の中でも、メールによる連絡が普及してきたので、花火を上げる必要がなくなったとあります。

だけど、本当にそうなのか疑問を持ちました。

というのも、メールが普及する以前から電話は普及していて、電話による連絡網はどこの学校でも運営されているはずです。それなのに、花火は続いてきたのです。

だから、メール云々の話は後付けの理由で、たぶん、前例踏襲的に続けてきたけど、苦情があったときに納得いく説明ができないというところなのではないでしょうか。

このことに思ったのは2つです。

  • うるさくて苦情を言いたくなるのは分かるけど、年に数回くらい我慢できないのかな

  • わざわざ電話か何かで苦情を伝える行動力がすごい


お知らせする相手を変えてみては


花火でのお知らせは、生徒や家族へのお知らせではなくて、地域へのお知らせと考えてみてはどうでしょうか。

運動会をはじめとして、地域の公立学校の行事は地域に開かれています。でも、自分に子供や親類がいないと、学校の行事をいつやっているかあまり知る由がありません。そういった人たちに、「今日は運動会がありますよ!」とお知らせするには、当日の朝に「ボンッ、ボンッ」と花火を上げるのは、とてもいい手段だと思うのです。

最近は少子化の影響で、地域の公立学校の生徒数が減っていると聞きます。でも、地域の公立学校は、子どもに勉強などを教える場所としての意味のほかに、コミュニティの拠点としての役割を持っています。

災害が起きたときなどに避難所として使われることは多いですが、もっと平時から拠点としての役割を果たしていくべきだと思います。

その意味では、運動会や文化祭などの大きな行事に、地域の住民を巻き込んで一体化していくというのは、とても大事なことです。

ちょっとの工夫も必要


そういうことで、花火を上げて地域のみなさんにお知らせするというときには、早朝である必要はありません。

運動会が始まる時間や午前中に打ち上げるのがいいのではないでしょうか。

早朝ではなく、多くの人が活動を始めている時間なら、苦情も減るかもしれません。

土曜日の午前中、ゆっくり過ごしているときに「ボンッ、ボンッ」と花火が聞こえてきたら、ちょっと学校に足を向けてみる。そんな地域社会であるといいと思います。