今年(2018年)に入って、スポーツ界で様々な不祥事というか、問題というか、興味深い出来事が起こっています。


古い順に並べてみるとこんな感じでしょうか。



  • 元日本レスリング協会強化本部長の栄和人氏が五輪4連覇の伊調馨選手に対しパワハラをしたとされる問題

  • アメリカンフットボールの日本大学フェニックスと関西学院大学ファイターズの定期戦において日本大学の選手が故意に反則タックルをしたとされる問題

  • 日本ボクシング連盟の山根明終身会長への権力集中、試合用グローブなどをめぐる不透明な独占販売、パワハラ、不正審判疑惑、助成金不正流用などを告発した問題

  • チアリーディング競技を行う日本大学応援リーダー部の女子部員に対して、部のOGでもある30代の女性監督がパワハラを働き、部の先輩や同期も嫌がらせを行っていたとされる問題

  • 指導していた選手への暴力行為を理由にコーチが日本体操協会から登録抹消の処分を受けたことがきっかけとなり、当該選手が記者会見を開き、協会から選手へのパワハラがあったことを告発した問題

  • 大相撲の貴乃花親方が弟子の暴行事件に関し日本相撲協会と対立し、内閣府公益認定等委員会に告発状を提出し(後に取り下げ)、納得できない貴乃花親方が相撲協会を退職するとされた問題


まあ、あちこちの団体でいろいろありますね、としか言いようがないほど、スポーツ関係の団体で問題が噴出しています。


このようないろいろな問題が出てくるのには、それなりの理由があると思います。それは、関わっている人のほとんどは、「自分はいいことをしている」と考えていることです。


どういうことかと言いますと、プロ野球やサッカーJリーグといったプロスポーツを除けば、基本的に、その運営は、関わる人たちのボランティアと善意で成り立っています(その意味では相撲の問題はちょっと違うかもしれません。)。


各地に設立されている各競技の「○○協会」は、ほかに本業のある人たちによって支えられています。また、普段の練習や指導も、各競技のOBOGを中心に行われているのが実態でしょう。そして、基本的には、それらはボランティアです。多少の謝礼などが出る場合もあるようですが、「報酬」と考えられるような額であることはほとんどないと思われます。


なので、選手やその親たちは、ボランティアで運営側にいる人たちを厳しい目で見ることができないのです。そのために、指導が行き過ぎたり、運営が逸脱したりしても文句が言えず、文句を言われないから過ちに気が付かずさらにひどくなってしまうことがあるのです。


こうした問題に対する処方箋は現段階では見出せていません。報酬を払えばいいのでしょうが、それでは運営が破たんしてしまいます。


さて、どうすればいいのでしょうか。


少しずつ考えていきたいと思います。